アイゼネフを統治する親王府の権師(行政の執行官)紀埜(きの)小納言の姫。
 色白き透き通る肌に漆黒の髪の毛が美しくたなびく彼女は、小納言とともに海を渡ってアイゼネフにやってきた。だが、府内にある邸宅には住むことなく、森奥に建設された権師の別宅に隠れるように暮らしていた。
 紀埜小納言がアイゼネフを収める最高行政官、二藤宮親王に請われて自分の邸宅に呼び寄せた際、家人の目を盗んで一人で森内にいたところでノアルと出会う。
 年頃の姫にしては幼い彼女だが、動物や木々、風といったものと「会話」ができる超自然的(巫女的)な能力を持つ。